ちいさいものおき

普段考え感じることは、ほとんどが忘れていってしまうものばかり。けれど中には、ちょっととっておきたいものも、やっぱりあります。そこで、「今」の「自分」が考え感じることを置いておけるような、「ものおき」があったらいいなあと考えました。たくさんは入らないものおきに、小物をいくつか並べたり、大物を入れるために整理したり。 ずっと隅っこにあったものに気づいて、久しぶりに眺めたり。 ちいさいからこそ、一個一個を見つめ直して吟味する。 統一感は特にない。そんな感じの「ちいさいものおき」を想像しています。

突っ込むべきか、否か

目の前で、人が泣きはじめた。

 

僕はどうしたらいいのかわからなくなって、取るものも手につかない。

さっきまでいつものように過ごしていたのに、どうしたのだろう。

 

理由がわからないと、憶測はどんどん進んでいく。

身内に不幸があったのだろうか。

僕が気づかぬうちに、何か傷つくことを言ってしまったのだろうか。

それとも、僕の予想が全く届かぬところで、何かあったのだろうか。

とにかく心配になって、当たり前のことが当たり前にできない。

 

とはいっても公衆の面前、ここで切り出したら何かが崩れてしまいそうで、怖くて聞けない。

そんなこんなで、後に持ち込む。

 

人は本当に、絶妙なバランスを保ちながら生きているものだ。

本当に大事なことなら、そのバランスを崩してでも、突っ込んでみるのもありかもしれない。