ちいさいものおき

普段考え感じることは、ほとんどが忘れていってしまうものばかり。けれど中には、ちょっととっておきたいものも、やっぱりあります。そこで、「今」の「自分」が考え感じることを置いておけるような、「ものおき」があったらいいなあと考えました。たくさんは入らないものおきに、小物をいくつか並べたり、大物を入れるために整理したり。 ずっと隅っこにあったものに気づいて、久しぶりに眺めたり。 ちいさいからこそ、一個一個を見つめ直して吟味する。 統一感は特にない。そんな感じの「ちいさいものおき」を想像しています。

2015-07-31から1日間の記事一覧

桃の彼女

「すみません」 駅前で突然呼び止められた。 時刻はもう23時過ぎで、ああ、これはちょっと面倒な人に捕まったか、と思う。 顔を上げると、つばつきの帽子をかぶった女性が、なにかを抱えて立っている。 暗くてよく見えなかったが、顔は日焼けした褐色のよう…